武術的な視点
現代は筋トレが盛んになってきていますよね。
でももともと筋トレの科学的な研究は比較的近年です。
今ではトレーナーも増えていわゆる筋肉を作り上げるような筋トレが主流となってきております。
しかし、じつはこれ関節を壊しやすい現実もあります。
その点では武術的な筋トレは全身トレーニングです。鍛錬のようなものです。現代のようなダンベルやバーベルは用いず、自然のもの、自分の体、生活圏内にある物などをつかって筋トレすることが多いです。
また、対人でのトレーニングも豊富です。
このように西洋的な筋トレと東洋的な武術的な筋トレは考え方が根本的に違うのです。
西洋的な筋トレはボディメイキングではかなりの効果を発揮しますよね。
とても良いと思います。
西洋的な筋トレ
西洋的な筋トレは筋肉の肥大化に焦点が集まっている傾向にあります。
たしかに男らしいたくましい体、女性もヒップアップしてウェストがくびれて、女性らしい体にも作ることが可能です。
西洋的な筋トレの主な方法として、マシンやバーベルなどを用いて狙いたい部位に意識を集中して、フォームを崩さないようにし、できる限り狙っている部位だけで動作をさせるの方法です。
ストリクトと言って、反動などを一切入れずに、どれだけ厳密に狙っている部位のみで動かせているかという評価もあります。
また、より肥大を起こすために複合関節運動より、単関節運動のトレーニングを好みます。
西洋的トレーニングの弊害
この場合、弊害として、体の各パーツがバラバラとなっていくことです。トレーニングの仕方を間違うと一気に関節を痛めたりスジを違えたり、腰を痛めたりとリスクもそれなりに高いです。
しかし、人間は何かをするときに体の一部分のみを使って動いているわけではありません。
複数の関節や筋肉が連動して一つの動作を完成させています。
つまり、この連動性が本来の人間の動きとして大切なのです。
それが西洋的なトレーニングでは部位ごとに分けるので、失われやすいのです。
もちろん西洋的なトレーニング理論のなかにもファンクショナルトレーニングや特異性を考慮したトレーニングも存在しています。
しかし、ベースには体がそれぞれバラバラで使われるような仕組みがあるので、どうしても連動性にかけたり、できていても表面的な連動性になってしまっていることが多いです。
ここに何人かは見たことあると思いますが、ただ筋トレして体を大きくしているマッチョと柔術や他の武術をやっている人とで組手をしたとき、マッチョの力任せでも倒れないことも多いと思います。なのに、マッチョよりも体が小さいのに、マッチョを倒したりねじ伏せたりすることもあります。
これは体全体の使い方で力同士でぶつからない方法を体得しているからなのです。
このように、とくに筋肥大を狙ったトレーニングをしなくても体は強くなっていくことができるのです。
武術的トレーニングのメリット
東洋的なトレーニングというか、武術的なトレーニングはたくさんのメリットがあります。
一つに重心が座ることや軸が強くなることです。ブレない体が作られます。
さらに、体のパーツ単体で動くより、体全身を使って動くことができ、ぎっくり腰にならなくなったり、肩の力が抜けたり、全身を使うことで、見た目以上の力を発揮することができるようになります。
関節の負担も軽減されます。体の一部分に負担がかかることが無くなります。
さらに足腰が上部になり強くなります。
武術では丹田を意識することが多いのですが、この丹田が全身の各パーツをつなぎ合わせて、一つにしてくれるのです。
一つこのとをするのではなく複数のことを同時にやっていったりしますので、脳の刺激にもなります。
例えば相手の腕を引っ張りながら、自分はしゃがみこんでいくことや、相手と向き合いながら腕をぐるぐる回しながら前後左右と移動して行ったりと結構難しいことも多いです。
唯一のデメリット
武術的なトレーニングでの唯一のデメリットは動作が複合的で体の外や内部に全て同時に行なっていくので習得に時間がかかることだと思います。
しかし、時間をかけてしっかり鍛錬していったものは根強く体に残るものです。
それに日常的にも意識していくことも必要になるので、ライフスタイルとして取り組むような姿勢が必要です。
ベンチプレスとかダンベルカールとか西洋的なトレーニングは敷居は低く初心者も参入しやすいうえ、動きも比較的単純なので覚えやすいです。
しかし、武術的なトレーニングは複雑のものが多いので、習得までには時間が必要です。
でも後から振り返ってみると、結局このデメリットもメリットなんですよね。良いことなんですよね。
筋トレはぜひ、武術的なトレーニングを取り入れてみると良いですよ!
できる限り丹田を意識して、全身の連動性を強めていきましょう。
コツとしてどんな動きであっても、浮き足立つより重心を落とすようにし、下っ腹に力を入れて、内ももに力を入れて絞めるようにしてみてくださいね!