体の生理反応を利用するともっと高く跳べる
バスケやバレーボールとか高く跳ぶ必要がある競技も多いですよね。
高く跳べるということは反応や筋力、なども強いということで、必ずしもジャンプが必要な競技をやっている人のものではないんです。
どんな競技をやっていても高く跳べることは下半身の総合的な能力が高いということなんです。
ということは高く跳べた方がいいじゃん、ってことですよね。
そこでここで説明するのは高く跳ぶための秘訣をまとめたいと思います!
生理反応??
生理反応は体内の勝手な反応みたいなものです。
例えば、暑くなると勝手に汗が出ますよね。寒くなると勝手に震えますよね。そんな感じです。体内の自動的な反応をうまく利用するとすぐにでも跳ぶ高さが高くなります。
私たちの体にはたくさんの筋肉がありますよね。それと同じようにたくさんの腱があります。腱は弾力性が高いものです。筋肉も弾力はあります。
ゴムを想像してください。伸ばすと戻ろうとする性質がありますよね。筋肉も腱も同じようなものなんです。
これを「ストレッチ・ショートニング・サイクル」と言います。「SSC」ですね。頭文字ですよ。
これは英語を直訳すると、伸びて、縮まる、周期。という感じです。つまり、伸びたあとに縮むことが繰り返される、という感じですかね。
ではどうやって利用するの??
このストレッチ・ショートニング・サイクルは一度必ず引き伸ばされることが条件です。ジャンプ動作では上に跳ぶのですが、そのために一度沈み込むのです。
しゃがみこみ動作です。
しゃがみこみ動作のとき、下半身のほとんどの筋肉は引き伸ばされながら収縮を保ちます。「伸張性筋収縮」ですね。「遠心性筋収縮」とも言います。そうなると戻ろうとするエネルギーがたまります。そして、しゃがみこんだら次は跳び上がり動作に切り替えられて、それまで蓄えられていた縮もうとするエネルギーが解放されます。それと同時に筋肉が力を出して加勢するので、高く跳べるようになります。
もう一つある!
跳ぶときに私たちは無意識でしていることがあります。
それは腕振りです。
垂直跳びのテストとかで、跳ぶときに腕を振った記憶ないですか?あれです。笑
実は物理学的にも有利なんです。
この「腕の振り込み動作」は腕の反動というか遠心力を利用しています。
腕が上がっていくときにふわっと体も浮き上がるみたいに。ブランコですよね。
でもこの腕の振り込み動作を意図的に練習すれば高さも高く出せるようになります。
タイミングはしゃがみこみで一番下に来るときに腕の下向きのエネルギーを最大にして、反発のエネルギーを増やします。
そして、今度は体が飛び上がるよりも速いスピードで腕を振り上げればその勢いが今度は体を引き上げます。
このようにして、跳ぶ高さを挙げられます。
トレーニング的には??
プライオメトリクスってのがある
プライオメトリクスというトレーニング方法があるんですが、これは「ストレッチ・ショートニング・サイクル」の反射をより強めるトレーニングなんです。
どういうものかというと、ジャンプのトレーニングをするときにちょっと高いところから飛び降りて着地の瞬間にその反動を利用して一気に飛び上がるように切り替えるトレーニングです。
これは腱の強化にも繋がります。筋肉の反射の能力も高められます。
しかし、ちょっとリスクも高いです。慣れてないでいきなりやると、その強度や衝撃に腱や関節が耐えられずに、痛みが出るときがあります。
ですので、トレーニング強度は徐々に強くしていきましょう。
まずはその場でジャンプを練習し、そのうち少しずつ飛び降りる高さを高くしていく感じですね。
ジャンプをしたら着地も
ジャンプすれば必ず着地も行われますね。着地の能力を高めないと、着地の衝撃に耐えられなくて、ケガに繋がってしまいます。
ケガしてしまうと、治療に時間がかかったり、後遺症になったりと、大変な目になってしまいます。そうなると本人も辛いですよね。
そうならない為にも着地の技術をつけましょう。
ジャンプも技術ですが、着地も技術なんですよ。
着地の物理学
難しい話は抜きにして、簡単に。笑
簡単に言うと着地のエネルギーはその高さに上がるためのエネルギーと同じ、ということです。
例えば、 A地点から30cm高いB地点にジャンプで上がりました。今度はその同じB地点から、最初のA地点に飛び降ります。そのエネルギーはどちらも同じと言うことです。
厳密には色々な要因が重なり、計算は複雑になると思いますが。
難しので、省略!!笑
でも着地の衝撃を和らげる方法があります。
それは着地の時の物体が止まるまでの時間が延びればその分衝撃は緩和されます。
つまり、地面に足が着いてから、体が止まるまでに1秒かかるのと、3秒かかるのでは3秒の方が処理するエネルギーは弱くなる、ということですね。
トレーニング的には??
もう一つ衝撃を和らげる方法があります。
それは体全体をバネのように使うことですね。
筋肉と関節を全体的に柔らかく使って、衝撃を吸収しましょう。
このときに働く筋肉は全体的に伸張性筋収縮が行われます。エネルギーを受けながら、それに耐えるようにして収縮を維持しつつ伸ばされていく感じですね。
着地の能力を高めるのはこの対処能力を高めることです。
膝、股関節、腰、腕、などをフルに使いながら、膝だけに片寄らずに、衝撃を吸収していきます。
スポーツの現場ではこの能力がとても大切です。これが出来なければ、ケガしやすくなってしまいます。
ジャンプをして、着地のときにしっかりと全身を使ってバネにすること。
これにはなんどもジャンプをして体に覚えさせることが一番ですね。
怖いケガ
着地で怖いのが膝のケガです。
スポーツの現場では両足で着地することよりも、片足着地の瞬間の方が多かったりします。
両足の場合は両足に均等にエネルギーを分散させて衝撃を受け止めれば良いです。着地のときに体全体を使って、深く腰を落とすようにして、バネになりましょう。
しかし、片足の場合は全てのエネルギーを片足で受け止めなければなりません。そうなると、受けてしまう衝撃はとても強くなってしまいます。
片足で着地するときは、膝が内側に入りやすい、X脚のような状態になりやすいです。そうなると、膝の内側や前十字靱帯を損傷しやすくなってしまいます。
足底筋膜炎にも繋がります。
膝は絶対に内側に倒れないようにして、重力に対してまっすぐに立てておきましょう。
それを意識するだけでもケガのリスクはかなり下がります。
あとは、下半身の筋トレをして、強化してあげてくださいね。