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腰の負担と対策の話

重い物を持つ時の腰の負担

私たちはたまに重い物をもつことがあると思います。肉体労働をしているといつも腰を使いますよね。

その時の腰への負担はどれくらいなんでしょうか。

重い物を持ち上げる時は、全身の多くの筋肉が関係しています。この時、腰には圧迫力や張力(引っ張られる力)、剪断力(横にずらされる力)が発生します。

かなり複雑な力学的なエネルギーが腰部にはのしかかっているんですね。ということは文字通りに下手をすれば腰をケガするような危険な動作という部類に入るんです。

ちなみに、アメリカでは腰痛発生の危険因子の第一位になっているんです。それほどリスクも高いんですね。

研究では物を持ち上げる時に第二腰椎(上から2番目の腰骨)には体重の4倍もの圧迫する力が加わっているというデータが出ているんです。体重の4倍ってすごい力ですよね!

腰痛の予防にはこの力に耐えうるだけの筋力をつけて、腰骨を守る必要があるんですね。

持ち上げる時に使われる筋肉の種類

ここですこし、持ち上げる時に使われる主な筋肉をリストアップします。

頭に近い方から順です。

  • 脊柱起立筋(背骨に付いている筋肉群の総称)
  • 広背筋
  • 腹筋群
  • 大臀筋
  • 大腿四頭筋
  • 大腿二頭筋
  • 腓腹筋

です。

持ち上げる時に腕も使っているじゃないかとか、首にも力って入るじゃないか、という細かいのは抜きにしています。笑

もちろん持ち上げる体勢によっても使われる筋肉は変わります。

片足を前後にずらしているパターンや、体をよじって持ち上げたり、片足立ちで持ち上げたりで、かなり変わってきますよね。

今回の説明は基本のデッドリフトの体勢での説明となっています。

つまり、一般的な物を下から持ち上げる体勢ですね。引越し屋さんがやるような。

持ち上げる時に腹圧を高める

これはケガ予防のためにもかなり重要な現象です。

意識してできることです。それは「腹圧」を高めてあげることです。

息を止めるか止めないかはありますが、腹筋に力を込めると腰回りが固まりますよね。これは天然のコルセットというもので、自らの筋力で腰骨を支えることなんです。

これが「腹圧」と言います。お腹の圧力ですよね。

物を持ち上げたりする時には背筋が主導で働きます。しかし、背筋ばかりに仕事を任してしまうと、そのうち背筋が破綻してしてしまいます。また、背筋ばかりが強いと腰骨にかかる圧力のバランスが崩れてしまいます。

その調整をしてくれるのが背中とバランスを取ってくれる腹筋の筋肉なんです。腹筋には4種類の筋肉が存在するので、そのどれも強くしておくことは天然のコルセットを強化することになるんです。

これは東洋では丹田というところにも繋がってきますよね。

丹田、もしくは下っ腹に力を込めると動きが安定するし、力も発揮しやすくなるし、動きのキレ味も格段に良くなります。

持ち上げ動作のバリエーション

一口に持ち上げるといっても体の使い方で持ち上げ方も変わりますよね。

ここでは一般的に見かける持ち上げ方2種類で比べてみます。

① 前かがみをして持ち上げる方法

② しゃがみこんで持ち上げる方法

どちらもやったことある動作じゃないですか?

前かがみはあまり下半身を屈伸せずに上半身だけで床までかがんで、物を拾うようにして持ち上げる方法ですね。おそらくだいたいはこんな持ち上げ方をするんじゃないでしょうか?

もう一つのパターンのしゃがみ込む方法ですが、肉体労働や引越し屋さんがやっているような、下半身をバネに持ち上げるようなやり方です。

ちょうどウェイトリフティングのスナッチで持ち上げるような感じです。

じつはこの①の持ち上げ方は腰部の負担がとても高い持ち上げ方なんです。下半身使わないので楽なんですが、腰へのリスクはとっても高いです。

しゃがみこんで持ち上げる方が安全なのですが、膝の使い方を正しく使わないと、膝への負担が高いです。

では安全な持ち上げ方はあるんでしょうか?

完璧な持ち上げ方はないにしてもいくつかのポイントをおさえておけば、かなり安全に持ち上げることができるようになります。

  • 荷物はできる限り体に近づけましょう
  • 腰椎の適正な生理的湾曲を維持して、丸くなりすぎたり、反り腰になりすぎたりしないようにしましょう
  • 急がず慌てず、ゆっくりと持ち上げましょう
  • 両足のスタンスを広くとって自分の重心が取れる面積を確保しておきましょう
  • できる限りねじったり、横向いた状態にならないようにまっすぐ持ち上げましょう
  • 下半身の筋肉もたくさん使って腰だけにならないようにしましょう
  • 腰の位置を高くしすぎずに重心を下げて持ち上げれば持ち上げる距離も短くてすむ

などを注意すればかなり安全に持ち上げる動作が可能となるんですね。

様々な職場、職業でも

腰は様々な場面で使いますよね。日常生活であれば重さを上手く分散させたり、誰かと協力したりと臨機応変にできます。

しかし、仕事となると、どうしてもやらなければいけない時もあると思います。そんな時は今説明したような注意ポイントをおさえて、行ってみましょう。

たとえば現在の日本では介護がとても多くなっていると思いますが、介護での移乗の時も腰の位置を高くしすぎずに、下っ腹を入れるように低く取り、足幅のスタンスを広げて、腕や腰だけでやろうとせずに下半身の力を利用して、移乗させましょう。

どんな時でも慌てず、急がず、一定のスピードで、できる限りねじったり横曲げをしたりせずに、自分の体に近い位置で行いましょう。

引っ越し作業や運搬作業、力仕事の時も全て同じように意識してみましょう。

初めのうちは慣れないのでまどろっこしかったりすると思いますが、体が動作になれて、筋力もつけば、自然と安全な使い方ができるようになりますよ。

ぜひ、まずは耐えられるような軽いものから練習して習得してみましょう。一度覚えて慣れてしまえばこっちのもんですよ!

無理せず頑張っていきましょう!

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