背骨?脊柱??セキツイ??
なんか色々と聞いたことありますよね。でもこれは全部同じ部分を言い表しているんですね。
解剖学的には脊柱と読んだり、脊椎と呼んだりしています。まぁ、相手が分かればよいのですが 笑
大黒柱!
この脊柱は人体の中の大黒柱のようなものです。ここが無くなれば字のごとく骨抜きにされたような状態になりますね。
立っていられません。
軟体動物ですね。
タコやイカみたいな生物になってしまいますね。それこそ昔の火星人像みたいな人類が誕生ですよね 笑
積み木の骨
この脊柱ですが、小さな骨の積み重ねで構成されています。
積み木のように積み上がっているんです。
この一つ一つの骨を椎骨(ついこつ)と言います。
そして部位によって頚椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)、仙椎(せんつい)もしくは仙骨(せんこつ)、尾椎(びつい)もしくは尾骨(びこつ)、と分かれています。
● 頚椎
椎骨が7こ
● 胸椎
椎骨が12こ
● 腰椎
椎骨が5こ
● 仙椎もしくは仙骨
大きな1この骨
● 尾椎もしくは尾骨
3~5こ
そして、これら全ての椎骨の間でクッションの役割をやってくれているのが、椎間板(ついかんばん)という軟部組織で構成されているんですね。
この脊柱の上に頭があり、下には腰の骨、つまり骨盤が繋がって、人体を形づくっているんです。
頭から腰までの一本の大きな幹ですよね。
椎骨についてさらに
さらに、椎骨について細かく見ると2つのパートに分かれています。柱の中心的部分の椎体(ついたい)とその後ろ側にあって、上下の各椎骨どうしの組み合わせ役としての椎弓(ついきゅう)があります。
この椎体と椎弓の間には椎孔(ついこう)という穴があり、この椎孔のなかを脳から繋がっている脊髄神経(せきずいしんけい)が腰まで通っているんですね。脊髄神経は中枢神経で、全身の神経網の中心的な組織ですね。
ちょうど電気信号をながす電線が地中にパイプに包まれて通されているような感じです。
脳が監督だとしたら、脊髄神経が現場の指示責任を担っているディレクターみたいな役割で、さらにその先に各手足など全身につながる末梢神経があり、これらはその場所のリーダーみたいな役割で、筋肉や内臓が実働する実働部隊ですね。
生理的湾曲
話はそれましたが、この脊柱は一直線に頭から腰まで繋がっているのではないんです。
すこしS字のカーブを描きながら繋がっています。
正面からみれば左右には曲がっていないで直線なんですが、横からみると前後のカーブがあります。
これを「生理的湾曲(せりてきわんきょく)」と言います。
頚椎や腰椎の部分では前面に向かって凸になっておりこれを前弯(ぜんわん)、そして胸椎と仙骨と尾骨の部分では背面に凸になっておりこれを後弯(こうわん)と呼んでいます。
この湾曲は動くときに臨機応変に対応してくれます。体を丸めれば脊柱はカーブを描いてくれるし、背伸びをすれば反ったようにまっすぐに伸びます。
でもこの生理的湾曲は垂直方面の荷重を分散させてくれて、重力の影響を直接受けないような役割になっています。脊柱ぜんたいで免震構造のような仕組みが出来上がっているんですね。
素晴らしいですよね。
だからこのS字カーブは大切なんですよ。
しかし、このS字カーブも生まれ時からあるのではなくて、胎児の頃はむしろCの字のように丸くなっています。
しかし、幼児になり、お座りができるようになり、タッチまでできるようになる順番で徐々にS字が形成されていくんですね。
この脊柱も異常な配列になることも
人間は育っていく過程で脊柱のS字カーブが形成されて完成するのですが、生活環境や病気などで、このS字カーブが壊れていくことがあるんです。
この配列のことを「アライメント」と言います。そして、異常なアライメントをマルアライメントとかアライメント異常とか言ったりします。
そして、このアライメントは重心とも深く関係しています。
アライメントが悪いと、重心も崩れます。例えば、脊柱のアライメントが過度に猫背になっていたら、重心が前に飛び出している状態ですよね。
それとか、左右どちらかだけが固まっていたり、すると重心が左右のどちらかに引っ張られてしまいますよね。
そのようにアライメントと重心は強い関係があります。
重心線といって、重力の線と平行に伸びる重心の延長線上の線があるのですが、これはアライメントとほぼ同じが理想とされています。
つまり脊柱と重心の線はほぼ同じように走っていることが良いんですね。
重心は?
ちなみに重心はどこにあるのでしょうか?
これはなんと、おへそではなくて先ほど出てきた仙骨の少し前方にあるんです。これ、なにかと同じ、と思いませんか?
そう、丹田です。
東洋では昔から丹田を意識してきました。剣術でも柔術でも他の武術でも丹田はかなり重要なポイントです。
これは昔から言われています。
不思議ですよね。
この丹田があると言われている位置と、人体の中心の位置が同じなんです。これも人種で多少違いがありますが、私たち黄色人種ではこの丹田の位置が重心なんですね。
男性で足の裏から56%、女性では足の裏から55%の位置にあたります。
この重心はどのような役割があるかというと、体があらゆる方向に回転したり動きたりしやすい部分ということです。
動きの基盤となる部分がこの重心なんですね。
この丹田の鍛え方、体幹トレーニングの仕方など詳しくまとめている記事はこちら。
この重心が揺らがないで、しっかりと仙骨のすこし前方に位置させられれば、体に無駄な力も入らず、コリなども発生することがなくなります。
さいごに
重心もアライメントもすごく大事になのが分かりましたね!
アライメントは外見からは姿勢としても現れてきますよね。脊柱が曲がっていたりすると、その周りにある人体も脊柱に沿って曲がってしまいますよね。
アライメントを意識する時には姿勢から意識すると分かりやすいですね。
良い姿勢は当然ですが、頭頂と先ほどの重心の位置と内くるぶしの下まで、すうっとまっすぐ伸びているのが良いですね。
しかし、いくら良い姿勢といってもずっとこの姿勢では疲労もたまるので、適度に姿勢の変化をつくるのがさらに良いです。
そのための姿勢の柔軟性が必要になってくるわけなんです。
柔軟性のためにはストレッチですね!リラックスにもとっても良いストレッチとは?
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一口に良い姿勢と言っても解剖学的な良い姿勢や見た目の良い姿勢、生理学的な良い姿勢とか色々です。
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とにかく、必要なことは仙骨の少し前に人体の中心という重心を意識して、全身リラックスでもできると良いですよ。
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